サケの赤ちゃんを展示しました!
11月に期間限定で展示していたサケが、実はなんと!水槽の中で奇跡的に産卵していました。
自然界でサケは尾びれを器用に使って、川底の砂利に穴を掘りそこに産卵しますが、水槽の中でも同じように砂利に穴を掘って産卵していたんです!
卵は砂利の中に埋められてしまうため、砂利を掘ってみないと産卵したのか確認できませんが、担当の飼育員は毎日サケを観察しているので、産卵したと確信したんだそうです。
卵はおよそ1か月間砂利の中で育つと、ふ化して赤ちゃんになります。赤ちゃんになるまでの間はとても大切な時期で、卵を動かしたり傷ついたりするとふ化しないんです。そのため、1か月ほどずっと砂利の中に寝かせておきます。この間、担当の飼育員以外はみんな「本当に産卵したの?」「卵埋まってないんじゃない?」「他の魚が食べてしまってもうないだろ」とプレッシャーをかけまくりました(笑)。
そしていよいよ、ふ化直前(水温と日数でわかるんです)と思われるある日、ついに『卵回収作戦』が決行されました!
この作戦、サケを担当したことのある飼育員たちの間ではうわさになるほど過酷な作業なんです・・・。
なぜなら、水温14℃に長いと数時間潜りっぱなしの作業だから(汗)。当園では水中での作業性と迅速性を考慮して、好んでウェットスーツを着て潜ります(世間一般的に低水温に潜る時は水が入ってこないドライスーツを着ます)。ウェットスーツというのはその名のとおり、スーツと体の隙間に水が入る構造です。これだけ低水温だと、かなりヒヤっとします。いや、カワイく言いすぎました(笑)。体感的には裸で寒中水泳と五分ぐらいだと思ってもらっていいでしょう(汗)。
短時間なら大したことはありませんが、埋まっている卵をすべて回収するまで出てこられないので、やってみないと終わりがわからないというミステリアスな作業です。
気合を入れて、飼育員が水槽へドボン!!
するとどうでしょう?20分もしないうちに、ダイバーの足が微妙に震えはじまったじゃないですか!(笑)
「おおー、卵を発見し歓喜の震えか」と思いきや、もちろんそういう震えでもなく、、、(笑)
砂利を慎重に掘り進めますが、なかなか卵は見つからず、刻々と時間だけが過ぎ、
そして、足の震えは激しさを増し、震えが徐々に大きくなってくるので、外で見ている私も(他人事なので)なんだか面白くなってきてしまい、笑いたいのを必死にこらえ、見守りました。
すると、ダイバーがついに卵発見!!!!!!!
写真を撮らせてもらいましたが、手が震えていてブレブレの写真です(汗)。
すべての卵の回収が終わるころには、見たことがないぐらい全身がガタガタ震え、見ているだけの私は不謹慎ながら、笑いが止まりませんでした(笑)。
そんなこんなで、とても苦労のあったサケの卵はその後、バックヤードで育てられ、無事にふ化。
12/21から特別展示を行っています!飼育員が必死の思いで回収したサケです、是非ご覧ください!
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